【経理のDX化で業務をラクに】中小企業でもできる経理DX化のやり方をわかりやすく解説
「経理業務が煩雑で、もっと効率化できないものか…」
「毎月の締め作業に追われて、本来の業務に手が回らない…」
「最新のシステムを導入したいけれど、何から手をつければ良いのか分からない」
もし、あなたがこのようなお悩みをお持ちなら、この記事はきっとお役に立てるはずです。
近年、「DX」という言葉を耳にする機会が増えました。
特に経理部門におけるDX化は、中小企業にとって業務効率化、コスト削減、そして経営判断のスピードアップに直結する重要なテーマです。
「うちは中小企業だから、大企業みたいに大掛かりなDXは無理だろう…」
そう思われるかもしれません。しかし、ご安心ください。中小企業でも無理なく始められる、現実的な経理DX化の方法はたくさんあります。
この記事では、経理DXとは何かという基礎から、中小企業がDX化に踏み出すべき理由、そして今日からでも実践できる具体的なDX化の方法まで、分かりやすく解説していきます。
こんな方は是非読んでください
- 経理業務に時間を取られ、本業に集中できない経営者様
- 毎月の締め作業や記帳作業に追われている経理担当者様
- 経理業務の効率化やコスト削減を考えているが、何から手をつければ良いか分からない企業様
- 将来の経理業務のあり方に不安を感じている方
今回のテーマについて
「経理DX」って何?わかりやすく解説!
まず、経理DXについて理解を深めていきましょう。
そもそも「DX(デジタルトランスフォーメーション)」とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、経済産業省が提唱する概念で、「企業がデータとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデル、組織、プロセス、企業文化・風土を改革し、競争上の優位性を確立すること」を指します。
単にデジタルツールを導入することではなく、それによって企業全体のあり方を変革し、新たな価値を生み出すことがDXの真の目的です。
「経理DX」とは何か?従来の経理業務との違い
経理DXとは、このDXの考え方を経理業務に応用したものです。
具体的には、クラウド会計ソフト、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AIなどのデジタル技術を活用し、従来の紙ベースや手作業中心の経理業務から脱却し、以下のような変革を目指します。
-
- アナログ作業のデジタル化・自動化: 手作業で行っていた記帳、仕訳、請求書発行、経費精算などをシステムで自動化します。
-
- リアルタイムでの情報共有: 会計データが常に最新の状態に保たれ、関係者間で迅速に共有できるようになります。
-
- データに基づいた経営判断: 蓄積された経理データを分析し、経営戦略に役立てることを可能にします。
従来の経理業務は、過去の取引を正確に記録・整理することが主な役割でした。
しかし、経理DXを進めることで、経理部門は単なる「記録係」から、企業の未来を創造するための「戦略部門」へと進化できるのです。
経理DX化で実現できること(例:ペーパーレス化、自動化、リアルタイム管理)
経理DX化によって、具体的にどのようなことが実現できるのでしょうか。
-
- 徹底したペーパーレス化: 請求書、領収書、振込依頼書などの紙媒体が不要になります。保管スペースの削減はもちろん、紛失リスクも軽減されます。
-
- 業務の自動化: 定型的な仕訳入力、入出金データの取り込み、経費精算の承認フローなどが自動化され、手入力によるミスや重複作業がなくなります。
-
- リアルタイム管理: いつでもどこからでも、最新の財務状況やキャッシュフローを把握できるようになります。月次決算の早期化も実現可能です。
-
- データ活用: 蓄積された会計データを多角的に分析し、経営戦略や資金繰り計画に役立てることができます。
中小企業がDX化に踏み出すべき3つの理由
「DX化は気になるけど、うちの会社にはまだ早いのでは?」
「導入コストや手間を考えると、踏み出せない…」
そうお考えの中小企業の経営者様もいらっしゃるかもしれません。しかし、中小企業こそ経理DX化に積極的に取り組むべき明確な理由が3つあります。
理由1:業務効率の大幅な向上とコスト削減
中小企業では、限られたリソースの中で多くの業務をこなさなければなりません。
経理業務は、企業の根幹を支える重要な仕事ですが、その多くは定型作業であり、時間を費やしがちです。
経理DX化を進めることで、これらの定型作業を自動化・効率化できます。
これにより、経理担当者は手作業から解放され、より付加価値の高い業務に時間を割けるようになります。
具体的には、入力作業やチェックにかかる時間が大幅に削減され、その結果として人件費の抑制や残業時間の削減にも繋がります。
また、ペーパーレス化による印刷代や郵送費などのコスト削減効果も見逃せません。
理由2:人手不足解消と担当者の負担軽減
中小企業にとって、優秀な人材の確保は常に大きな課題です。特に経理のような専門性の高い業務は、採用が難しいと感じている企業も多いのではないでしょうか。
DX化によって、これまで人が行っていた作業の一部をシステムが肩代わりすることで、少ない人数でも経理業務を回せるようになります。
これは、人手不足の解消に直接的に貢献します。
また、手作業によるミスや精神的な負担が軽減されることで、経理担当者のワークライフバランスが改善され、モチベーション向上にも繋がります。
結果として、従業員の定着率向上にも寄与するでしょう。
理由3:経営判断のスピードアップと企業の成長促進
中小企業が市場で競争力を維持し、成長していくためには、迅速な経営判断が不可欠です。
しかし、経理データがアナログ管理だったり、集計に時間がかかったりすると、リアルタイムでの状況把握が困難になります。
経理DX化は、会計データを常に最新の状態に保ち、いつでもどこでもアクセスできる環境を構築します。
これにより、経営者は必要な情報をタイムリーに確認し、市場の変化や競合の動向に合わせた迅速な意思決定が可能になります。
例えば、キャッシュフローの状況をリアルタイムで把握することで、資金繰り計画を柔軟に見直したり、新たな投資判断を迅速に行ったりすることができます。これは企業の成長を加速させるための強力な武器となるでしょう。
税理士事務所との連携による更なるメリット
経理DX化を進める上で、税理士事務所との連携は非常に有効です。
税理士事務所は、会計・税務の専門知識はもちろん、多くの企業のDX推進を支援してきたノウハウを持っています。
私たちのような税理士事務所がDX導入をサポートすることで、ツールの選定から導入、運用支援、さらにはDXによって得られたデータの経営活用まで、一貫した支援を受けることが可能です。法改正への対応も専門家がサポートするため、安心してDX化を進められます。
簡単にできる経理DX化の方法
では、具体的にどのように経理DX化を進めていけば良いのでしょうか。中小企業でも無理なく始められる、具体的な方法をいくつかご紹介します。
クラウド会計ソフトの導入
最も手軽で効果的なDX化の第一歩は、クラウド会計ソフトの導入です。
「MFクラウド会計」「freee会計」「弥生会計オンライン」などが代表的です。これらのソフトは、インターネット環境があればどこからでもアクセスでき、複数人での同時作業も可能です。
メリット:
- 場所を選ばない: テレワークや出張先からでも経理処理が可能になります。
- 自動連携機能: 銀行口座やクレジットカード、電子マネーの入出金データを自動で取り込み、仕訳候補を生成してくれます。
- 共有が容易: 税理士や他の担当者とリアルタイムでデータを共有でき、情報連携がスムーズになります。
- バージョンアップ不要: 常に最新の税制や機能が自動で反映されます。
請求書・領収書の電子化と自動取り込み
紙で保管していた請求書や領収書を電子データに切り替えることも、大きなDX効果をもたらします。
スマートフォンアプリで撮影する、複合機でスキャンするといった方法で、紙の情報をデジタル化。
多くのクラウド会計ソフトには、これらの画像を読み取り、自動で日付や金額をデータ化してくれるOCR(光学文字認識)機能が搭載されています。
メリット:
- ペーパーレス化: 紙の書類の保管・整理の手間が省け、保管スペースも不要になります。
- 検索性向上: 必要な書類を瞬時に検索でき、業務効率が大幅にアップします。
- 紛失リスク軽減: 電子データ化することで、物理的な紛失や劣化の心配がなくなります。
ネットバンキングとの連携・自動仕訳
ほとんどのクラウド会計ソフトは、ネットバンキング(インターネットバンキング)との連携が可能です。
一度連携設定を行えば、銀行口座の入出金明細が自動で会計ソフトに取り込まれます。
さらに、特定の取引(例えば「〇〇株式会社からの入金」は「売上」など)に対して自動で仕訳ルールを設定しておけば、手作業での入力がほぼ不要になります。
メリット:
- 入力作業の削減: 膨大な入出金明細の手入力をなくし、時間と手間を大幅に削減します。
- ヒューマンエラーの防止: 手入力によるミスをなくし、正確な経理処理を実現します。
- リアルタイムな資金把握: 常に最新の銀行残高や入出金の状況を把握できます。
経費精算システムの導入
従業員の経費精算は、領収書の提出、精算書の作成、上長の承認、経理部門でのチェック・振込と、多くの手間がかかる業務です。
経費精算システムを導入すれば、従業員がスマホで領収書を撮影・アップロードするだけで、経費申請が完了。
システム上で承認プロセスが完結し、自動で会計ソフトにデータが連携されるため、経理担当者の負担が劇的に軽減されます。
メリット:
- 従業員の負担軽減: 領収書の手貼りや精算書作成の手間がなくなります。
- 承認フローの効率化: システム上での承認・差し戻しが可能になり、ペーパーレスで迅速に処理が進みます。
- 経理業務の効率化: 領収書チェックや手入力作業が不要になり、振込処理もスムーズになります。
電子帳簿保存法への対応
2022年1月の電子帳簿保存法改正により、請求書や領収書などの電子データ保存が義務化されるなど、経理業務のデジタル化はもはや避けられない流れとなっています。
上記のクラウド会計ソフトや経費精算システムの導入は、この電子帳簿保存法への対応をスムーズに進める上でも非常に有効です。
DX化を推進することは、法改正への対応と業務効率化を同時に実現する賢い選択と言えるでしょう。
経理代行サービスを賢く活用するDX推進
「これらのツールを導入したいけど、自社に詳しい人がいない…」
「日々の業務に追われて、DX化を進める時間がない…」
このようなお悩みをお持ちの中小企業様には、税理士事務所の経理代行サービスの活用をおすすめします。
自社だけでDX化を進めるには、システムの選定、導入設定、従業員への教育、運用ルールの策定など、多くの時間と専門知識が必要となります。
税理士事務所の経理代行サービスは、単に記帳を代行するだけでなく、お客様の現状の経理フローをヒアリングし、最適なDXツールの提案から導入支援、そして運用サポートまで一貫してご支援できます。
経理業務の一部または全てをアウトソーシングすることで、DXツールを最大限に活用しながら、貴社は本業に集中することが可能になります。
専門家が最新の法改正にも対応し、常に最適な経理体制を構築・維持するため、安心してお任せいただけます。
まとめ
経理DX化は未来への投資
経理DX化は、単なるツールの導入や一時的なコスト削減にとどまらず、企業の生産性を向上させ、将来の成長を加速させるための重要な「未来への投資」です。
アナログな経理業務に費やしていた時間と労力を、企業の成長戦略や顧客サービスといった本業に振り向けることで、貴社の競争力は間違いなく高まります。
DX化を成功させるためのポイント
経理DX化を成功させるためには、いくつかのポイントがあります。
1. トップダウンでの推進: 経営者がDXの重要性を理解し、積極的にリードすることが不可欠です。
2. 従業員の理解と協力: 新しいシステムやプロセスへの抵抗感をなくし、積極的に活用してもらうための説明や研修が重要です。
3. スモールスタートで段階的に: 全ての業務を一度に変えようとせず、まずはクラウド会計ソフト導入から始めるなど、できるところから段階的に進める ことが成功の秘訣です。
4. 専門家(税理士)の活用: 自社だけで抱え込まず、外部の専門家の知識と経験を借りることで、よりスムーズに、より確実にDX化を進めることができます。
DX化推進は専門家(税理士)にご相談ください
「経理DX化の必要性は分かったけれど、どこから手をつければ良いか分からない」
「自社の経理業務に合った最適なツールが知りたい」
「導入後の運用サポートや、法改正への対応に不安がある」
もしこのようなお悩みをお持ちでしたら、ぜひ私たち税理士事務所にご相談ください。
当事務所では、お客様の現状の課題を丁寧にヒアリングし、最適な経理DX化のご提案から、ツールの選定・導入支援、そして日々の運用サポートまで、きめ細やかにご支援させていただきます。
経理業務の効率化を通じて、貴社の経営を強力にサポートすることをお約束いたします。
—
弊社は、税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・中小企業診断士が在籍し、経理改善だけでなく各種経営に関するお悩みを親身にサポートいたします。
是非、お気軽にご相談ください。
お問い合わせはこちら