【コラム・9月】社会保険適用拡大について
今回は10月からの社会保険適用拡大について、厚生労働省のQ&Aより関係が多そうな箇所について一部抜粋しご紹介致します。
短時間労働者の社会保険適用要件
① 1週の所定労働時間が20時間以上であること。
② 雇用期間が継続して2ヶ月以上見込まれること。
③ 月額賃金が8.8万円以上であること。
④ 学生でないこと。
Q&A
【Q1】4分の3基準を満たさない短時間労働者は、4要件のうちいずれか1つの要件を満たせば被保険者資格を取得するのか。
【A1】4分の3基準を満たさない短時間労働者は、4要件『全てを』満たした場合に被保険者資格を取得します。
【Q2】 「被保険者の総数が常時 100 人を超える」において、被保険者はどのような者を指すのか。今回の適用拡大の対象となる短時間労働者も含むのか。70歳以上で健康保険のみ加入している被保険者は対象に含めるのか。
【A2】特定適用事業所に該当するか判断する際の被保険者とは、『適用事業所に使用される『厚生年金保険』の被保険者』の総数になります。 そのため、今回の適用拡大の対象となる短時間労働者や70以上で健康保険のみ加入しているような方は対象に含めません。
週20時間以上の詳細について
【Q3】特定の月の所定労働時間に例外的な長短がある場合とはどのような場合か。また、そのような場合は1週間の所定労働時間をどのように算出すればよいか。
【A3】夏季休暇等のため夏季の特定の月の所定労働時間が例外的に短く定められている場合や、繁忙期間中の特定の月の所定労働時間が例外的に長く定められている場合等は、当該特定の月以外の通常の月の所定労働時間を12分の52で除して、1週間の所定労働時間を算出します。
【Q4】就業規則や雇用契約書等で定められた所定労働時間が週20 時間未満である者が、業務の都合等により恒常的に実際の労働時間が週 20 時間以上となった場合は、どのように取り扱うのか。
【A4】実際の労働時間が連続する2月において週20時間以上となった場合で、引き続き同様の状態が続いている又は続くことが見込まれる場合は、実際の労働時間が週20時間以上となった月の3月目の初日に被保険者の資格を取得します。
学生でないことの詳細について
【Q5】学生については、4分の3基準に該当していても、学生という理由のみをもって健康保険・厚生年金保険の被保険者とならないのか。
【A5】学生であっても、適用事業所に使用され『4分の3基準を満たす場合』は、正社員等と同様に一般被保険者として健康保険・厚生年金保険の被保険者となります。
2カ月以上の雇用が見込まれることとは
【Q6】 雇用期間が2か月以内である場合は、雇用期間が2か月を超えることが見込まれることとして取り扱われることはないのか。
【A6】雇用期間が2か月以内である場合であっても、次の(ア)(イ)のいずれかに該当するときは、定めた期間を超えることが見込まれることとして取り扱うこととし、最初の雇用期間を含めて、当初から被保険者の資格を取得します。
(ア)就業規則、雇用契約書等その他書面においてその契約が更新される旨又は更新される場合がある旨が明示されていること
(イ)同一の事業所において同様の雇用契約に基づき雇用されている者が更新等により2か月を超えて雇用された実績があること
ただし、(ア)(イ)のいずれかに該当するときであっても、労使双方により、2か月を超えて雇用しないことについて合意しているときは、定めた期間を超えて使用されることが見込まれないこととして取り扱います。
月額8万8000円以上の詳細について
【Q7】短時間労働者の厚生年金保険・健康保険の適用については、月額賃金が8.8万円以上であるほかに、年収が 106 万円以上であるかないかも勘案するのか。
【A7】月額賃金が8.8万円以上であるかないかのみに基づき、要件を満たすか否かを判定します(年収106万円以上というのはあくまで参考の値です。)。
【Q8】月額賃金が 8.8 万円以上の算定基礎となる賃金には、どのようなものが含まれるのか。
【A8】月額賃金 8.8 万円の算定対象は、基本給及び諸手当で判断します。ただし、以下の①から ④までの賃金は算入されません。
① 臨時に支払われる賃金(結婚手当等)
② 1月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与等)
③ 時間外労働に対して支払われる賃金、休日労働及び深夜労働に対して支払われる賃金(割増賃金等)
④ 最低賃金において算入しないことを定める賃金(精皆勤手当、通勤手当及び家族手当)
【Q9】短時間労働者として届出を行った場合「月額賃金が 8.8 万円以上」に該当するかどうかは、各労働者について毎月確認する必要があるのか。また、被保険者資格を取得後に月額賃金が 8.8 万円未満となった場合は、被保険者資格は喪失するのか。
【A9】原則として、資格取得後に雇用契約等が見直され、月額賃金が 8.8 万円を下回ることが明らかになった場合等を除き、被保険者資格を喪失することはありません。そのため、毎月確認する必要はありませんが、雇用契約等に変更はなく、常態的に 8.8 万円を下回る状況が続くことが確認できる場合は、実態を踏まえた上で資格喪失することとなります。
まとめ
以上が厚生労働省のQ&Aの一部抜粋となります。
迫る法改正について正しい対応をする為の一助となれば幸いです。
弊社は、税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・中小企業診断士が在籍し、経理改善だけでなく各種経営に関するお悩みを親身にサポート致します。
是非、お気軽にご相談下さい。