【コラム・11月】役立つ2つの共済制度
令和4年度も11月末となり年末が気になりだすと、資金繰りや税金の納付に悩む機会も増えてきます。
今回は、数ある共済制度の中から、効果の高い事業者におすすめの2つを紹介致します。
小規模企業共済
小規模企業共済制度は、小規模企業の経営者や役員が、廃業や退職に備えて積み立てを行う為の制度です。
掛金は、全額を所得控除できます。
共済金は、退職や廃業時に受け取る事ができ、受け取り方として一括・分割・一括と分割の併用の選択が可能です。
一括して受け取る場合は退職所得、分割して受け取る場合は公的年金等の雑所得扱いとなります。更に、契約者は中小機構のさまざまな低金利の貸付制度を利用できるというメリットもあります。加入資格に従業員数などの要件があるので、注意が必要です。
小規模企業は退職金の積み立てを行っていない企業が多い為、実際に廃業・退職時に生活資金に困るケースも多いです。利益が出ていて節税対策をしたいのであれば、将来に備えることができるこの制度は、おすすめの制度です。
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)
経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)は、取引先の倒産のなどの不測の事態に備えるための共済制度です。
法人・個人事業主を問わず利用でき、無担保・無保証人で掛金の最高10倍(上限8,000万円)まで、借入れが可能です。
この共済制度が節税対策によいとされる理由は、その掛金が全額、損金や必要経費に算入できるからです。
掛金の月額は5,000円から20万円までの範囲内で自由に選ぶことができ、増額や減額も可能です。解約する場合でも、解約手当金を受け取る事ができます。掛金を12か月以上納めていれば、自己都合解約でも掛金総額の8割以上を受け取ることができます。40か月以上納めていれば、掛金全額を受け取ることができます。ただし、掛金を収めた期間が12か月未満の場合は、掛け捨てとなってしまうので注意が必要です。また、解約手当金は益金や事業所得となります。
掛金は費用、解約手当金は収入となるので、全期間を通じてみると損得はないようにみえますが、不測の事態に備えることができ、さらに解約手当金を受け取る時期をある程度、自分で調整できるところがメリットです。
まとめ
共に非常に効果の高い共済制度となりますが、無計画に解約すると、いらぬ所得・益金を作ってしまうので、解約には注意が必要です。
将来の見通しを立て、上手に加入する必要があるでしょう。
弊社は、税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・中小企業診断士が在籍し、経理改善だけでなく各種経営に
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