【コラム】起業家のための経理基礎知識:成功への第一歩として身につけるべきポイント
経理の基本知識・概念
経理(会計)の基本知識と概念について説明します。経理は、事業者や組織が経済活動を遂行する過程で発生する経済的な取引や事象を記録・分析することで、財務状況や業績を把握し、意思決定に役立てる重要な機能です。
以下は経理に関する基本的な帳票です。
●仕訳帳:会計取引を日付や金額といった要素に基づいて順次記録する帳簿です。取引は複数の勘定科目に振り分けられ、この記録を仕訳と呼びます。
●総勘定元帳:企業の全ての勘定科目の残高を一覧表示する帳簿です。仕訳帳のデータが転記されています。
●財務諸表:企業の財務状況や業績を示す報告書です。主な財務諸表には、後述する損益計算書(利益計算書)、貸借対照表(バランスシート)、キャッシュフロー計算書があります。
●損益計算書:一定期間(通常は1年)の収益と費用を対比して、利益または損失を計算する報告書です。
●貸借対照表:企業の資産、負債、純資産の状況を特定の日付(通常は会計年度の終了時点)で示す報告書です。
●キャッシュフロー計算書:一定期間内のキャッシュの流入と流出を示す報告書であり、営業活動、投資活動、財務活動のキャッシュフローを示します。
これらの正確な記録と報告を行うことは、企業の財務管理や経営の成功に不可欠です。
収入と支出の管理方法
クラウド会計を用いて収入と支出を管理することで、オンライン上で会計データを入力、処理、保存し、柔軟性やアクセス性を高め、経理業務を効率化する手段となります。
以下は一般的なクラウド会計の収入と支出の管理方法の概要です。
●クラウド会計ソフトウェアの選定: まず、信頼性のあるクラウドベースの会計ソフトウェアを選定します。多くのオプションがあり、事業の規模や業種に適したものを選ぶことが重要です。クラウド会計ソフトウェアは、ブラウザ上でアクセスできるため、データの共有とアクセスが容易に行えます。
●収入の管理:収入は売上、受取金、その他の収入など、さまざまな形態で発生することがあります。クラウド会計ソフトウェアを使用して、収入を適切な勘定科目に仕訳します。顧客情報や請求書のデータを登録し、売上の管理を行うこともできます。
●支出の管理:支出は購入、給与支払、雑費などの形態で発生します。クラウド会計ソフトウェアを利用して、支出を適切な勘定科目に仕訳します。支払いや経費精算をデジタル化し、領収書や請求書の画像をアップロードして保存することも可能です。
●クレジットカードとの連携:銀行口座やクレジットカードと連携できる場合があります。これにより、取引履歴が自動的に同期され、データ入力の手間を減らすことができます。
●自動化とレポート作成:自動化機能を備えている場合があります。定期的な請求書作成、給与計算、税務申告などを自動化することで、作業の効率化が図れます。また、収支や財務状況のレポートを簡単に作成できるため、経営判断に役立ちます。
●セキュリティとデータバックアップ:クラウド会計ソフトウェアを利用する際には、セキュリティ対策とデータのバックアップが重要です。信頼性の高いものを選び、データのセキュリティを確保することが大切です。
クラウド会計を用いることで、いつでもどこからでもアクセスできる便利さや業務の効率化が期待できますが、情報漏洩やセキュリティリスクにも注意する必要があります。適切なソフトウェアを選定し、セキュリティ対策を徹底することで、経理業務の効率化とデータの安全性を確保することができます。
税金と確定申告について
事業者に関わる主な税金は消費税、法人税、所得税となってきますが、上述した帳簿を用いて申告を行うため、適切な帳簿付けが必要となってきます。
税金の計算や申告は複雑な場合があるため、税理士などの専門家のサポートを受けることが重要です。
適切な税務管理を行い、税法の遵守を徹底することで、事業者は健全な経営を続けることができます。
帳簿の作成と記帳方法
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帳簿の記帳方法は主に複式簿記を利用し、各勘定科目の残高を記録・管理します。複式簿記は財務状況を詳細に把握することができます。
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近年では、クラウド会計ソフトウェアを利用して記帳を行う事業者が増えています。クラウド会計ソフトウェアを使用すると、オンライン上で取引データを入力し、自動的に仕訳や総勘定元帳が作成されます。データの共有やバックアップが容易に行えるため、複数の人が共同で記帳作業を行うことも可能です。
記帳方法は、事業の規模や複雑さ、業種によって異なります。適切な記帳方法を選択し、正確な会計データを管理することは、事業の健全な運営や確定申告などの重要な業務において不可欠です。必要に応じて専門家のアドバイスやクラウド会計ソフトウェアの活用を検討することをおすすめします。
まとめ
事業者は日々さまざまな戦略的および運用的な決定を行いますが、これらの決定は、正確な経理データに基づいてなされるべきです。財務状況を適切に分析することで、事業の収益性、効率性、リスク、資金調達の必要性などの要因を理解し、より合理的な意思決定を行うことができます。
弊社では、経理のクラウド化や経理に関する改善方法の提案を行っています。また、税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士・中小企業診断士が在籍し、その他の各種経営に関するお悩みを親身にサポート致します。
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